
ロングトーン
音が出る様になり運指も理解したら、ロングトーンに挑戦してみましょう。
ロングトーンとは、名前の通り長い音を吹く練習です。
サックスにとって基礎中のの基礎であり、どんなに上達しても必ず行うトレーニングのひとつです。
ひとつの音をただ伸ばすだけなのですが、非常に大切な練習のひとつです。
同じ事をしていても練習内容や意識していることも全く違うため、常に目的を意識して練習する必要があります。
そもそもロングトーンとは大まかに言うと理想の音作りです。
サックスを始めて、音は出るけれども良い音で吹くことが難しいと思われる方も多いかと思います。
例えば、曲を演奏する時にリズムや指の位置等
様々な事を考えながら演奏しなければならない状況で常に良い音で吹く事に意識するのはとても難しいのです。曲を演奏していると良い音で吹くという事だけに集中する事はできません。
だからこそ、音だけに焦点を当て、ロングトーンがとても重要なのです。
それでは実際にロングトーンを実際にやってみましょう。

図の譜面は真ん中の「ド」の音から8拍伸ばし、4拍休んでを数回繰り返していくものです。
サックスを初めて手にされた方は、
・大きな音で吹く
・まっすぐ伸ばす。
この2つを意識して、低い音から高い音まで吹けることを目標にしてみましょう。
実際にサックスを吹いてみるとわかるのですが、中音域の音は比較的音が出しやすく、低音域の音が裏返って出ててしまったり、高音域の音が出なかったりします。
最初は拍数などは意識せずにただ音を伸ばすだけでも構いません。
まずは「すべての音がしっかりと鳴る」という事を目標にロングトーンをすればサックス上達の一歩になると思います。
次に意識をすべき2つのことについて、
詳しく解説していきます。
大きな音で吹く

サックスにおいて「息」は音の源であり、演奏を支えるガソリンのようなものです。
サックスを始めたばかりの方は、ブレス(息を吸い込む)が浅い方が多い。つまり、息を吸うという習慣がまだないのです。
ブレスが浅ければ車にガソリンがないのと同じで、どんなに頑張っても音が出ません。
まずはしっかりと息を吸う、という事を意識してみましょう。
そして大きな音を吹いてみましょう。
息をしっかりと入れ、堂々とした強い音をまずは標準にしましょう。
最初に大きい音の幅を広げておくことで、ダイナミクス(強弱)の練習にもなります。
しかし、息の入れ過ぎにも注意しましょう。
息を入れ過ぎると音が裏返ったり、音が割れてしまうので
「どのくらい息を入れると音が裏返ってしまうのか or 音が割れてしまうのか」
という事を体感し、息を入れる要領を解ってもらえたらと思います。
最初は力が入っても構いません。
ロングトーンを継続する上でだんだんと力を抜いて楽に吹けるようになれば良いです。
まっすぐ伸ばす

「まっすぐ伸ばす」とは
・同じ音量で
・同じ音色で
と言うことを意味しています。和菓子のようかんをイメージしてみてください。
どこを切っても同じ幅、同じ味がしますよね?
サックスのロングトーンも、まず始めに「同じ音量で同じ音色の音を吹くこと」が重要です。
最初は息が続かず、音量のコントロールが上手くいかないと思いますが、しばらく続けていると吹き方のコツが分かり最後まで同じ音量で吹くことができるようになります。
音色も同じようにロングトーンになれてくると出だしから最後まで同じ音を吹くことができるようになります。
ロングトーンのコツはとにかく「リラックスする」ことです。
これにより冷静に自分が吹いている音を確認し、客観的に音を理解することができるのです。
以上のポイントを踏まえ毎回の練習でコツコツとロングトーンをすれば、どんな曲でも安定した良い音を出すこが出来ます。
是非、明確な目的を持ってロングトーンをしましょう。
次はロングトーンと同じく非常に重要なタンギングについて解説していきます。